【05/27追記】 乗合バス・地域銀行に関する独占禁止法特例法が公布、一定の合併等とカルテルを適用除外

<2020年5月27日公布>

◆《インターネット版官報》地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律(令和2年法律第32号) が公布

 ※ 直近30日の無料公開期間を過ぎると閲覧できません。

<なお、2020年5月28日公表>

◆《電子政府の総合窓口》「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律施行令(案)」に関する意見の募集について

 ※ 意見募集期間経過後は「意見募集終了案件」「結果公示案件」をご参照ください。

<2020年3月3日公表(特例法案閣議決定・国会提出時)>

◆《内閣官房》「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律案」の閣議決定について

 ※ 本法は、令和2年5月27日法律第32号として公布されました。

<2020年3月3日掲載>

独占禁止法の特例法案が閣議決定、乗合バス事業者・地域銀行のサービス維持へ

 

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花本浩一郎弁護士の一言コメント

この法律は、地域の乗合バス事業者(一般乗合旅客自動車運送事業者)及び地域の銀行が主務大臣の認可を受けて行う合併等並びに国土交通大臣の認可を受けて行う地域の乗合バス等の共同経営について独占禁止法の特例を定めるものです。人口の減少等により地域の乗合バス事業者や銀行による持続的なサービスの提供が困難な状況にあることは令和元年6月21日に閣議決定された「成長政略実行計画」でも指摘されており、また、ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合に関する公正取引委員会の審査が2年超を要したことにつき産業界等から批判がなされたことは記憶に新しいところです。そこで、この法律においては、これらの事業者が基盤的サービスの提供に係る計画を提出することや主務官庁が公正取引委員会との協議を行うこと等を条件に、独占禁止法の適用除外を認めています。他方、この法律は時限立法(10年以内)であり、認可基準に適合しなくなった場合の主務官庁による事後的な監督の規定もあるなど、競争への悪影響に対する歯止めも設けられています。

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 「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律」が5月20日、参議院本会議で可決・成立し、同月27日、令和2年法律第32号として公布されました。公布日から6か月後に施行されます。

 本法は、乗合バス事業者や地域銀行のサービスが国民生活・経済活動の基盤的サービスであるとの認識のもと、他の事業者による代替が困難な一方で人口減少等により持続的提供が困難な状況にあるとし、サービスの提供を将来にわたって維持するために合併や共同経営を実施して経営力の強化を図ろうとする場合に抵触するおそれがある独占禁止法の規制を適用除外とするものです。

 特例法では(1)乗合バス事業者や地域銀行またはこれらの親会社が主務大臣の認可を受けて行う合併、持株会社の設立、株式取得等について独禁法を適用しないとする特例を創設するとともに(3条1項)、(2)乗合バス事業者と他の乗合バス事業者・公共交通事業者が国土交通大臣の認可を受けて共同して行う共同経営に関する協定の締結についても独禁法を適用しない特例を創設(9条1項・2項)。主務大臣・国土交通大臣の認可にあたっては、主務大臣等は公正取引委員会に協議しなければならないこととしています(5条2項、11条2項)。

 適用除外の対象となる上記(2)を巡っては、たとえば、①地域の公共交通網(ネットワーク)を形成する路線・運行系統、航路、営業区域について、利用者が一定の条件の範囲内で当該公共交通を利用することができる定額制の運賃・料金などの設定、②ネットワーク内の路線等の共同運行・分担運行による公共交通網の再編、③ネットワーク内の路線等の運行回数・運行時刻の設定による等間隔運行(パターンダイヤ)の実現が想定されており(9条1項各号参照)、このようにして乗合バス事業者のサービスの維持、利用者の利便の増進を確保することが見込まれています。

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