インドネシア法務基本情報

インドネシア共和国(以下、「インドネシア」という。)は、その首都をジャワ島のジャカルタに置いています。約2億4864万人(2012年7月推計)の豊富な人口を有する世界第4 位の人口大国です。人口の8割以上がイスラム教徒で、世界最多のイスラム教徒を抱える国ですが、イスラム教が国教というわけではなく、憲法により信教の自由は保障されていて、他の宗教に対しても寛容です。国の面積は、190万4569平方キロメートルと、日本の約5倍の大きさで、豊富な鉱物資源・エネルギー資源などの天然資源を保有しています(以上、World Fact Bookのウェブサイトを参照)。

1950年に独立国家としてのインドネシア共和国が誕生した後、スカルノ・スハルトによる長期政権を経て、1999年より民主的な総選挙が実施されています。2004年7月には、初の国民による直接選挙が行われ、ユドヨノ大統領が選任され、2009年に再選しています。近年は、政治の安定、豊富な天然資源及び堅調な内需から、インドネシアの成長性が注目されており、日本の直接投資額は2011年の実行ベースで約15億1610万米ドルと前年比約2倍を記録し、2012年9月現在で1255社の日系企業がインドネシアに進出しています(ジェトロのウェブサイト参照)。

法制度は、慣習法であるAdat法及び植民地時代に制定されたオランダ法の影響を受けています。インドネシアは、以前よりは緩和されたものの、外国資本による投資に対する幅広い制約があり、また労働法が労働者保護に手厚いなどの特徴を有しています。近年では国内産業保護の動きもあり、法令も頻繁に改正されているため、最新の法令を正確に把握することが重要です。以下に、インドネシアの基本的な法律の特徴及び留意点を図表にて示します。

特徴 留意点
憲法

● 1945年の独立宣言直後に作成された

● 1999年、2000年、2001年及び2002年の四度に亘り改正され、権力分立主義が明確に採用された

● 国民主権、三権分立、地方自治、憲法裁判所の設置、基本的人権等を規定

不動産法

● 外国人・法人の土地所有禁止

● 外国資本企業は、事業権(農業、プランテーション、漁業又は畜産業を営む場合の土地使用権)、建設権(土地に工場や商業施設を建設して事業を営む場合の土地使用権)、利用権(土地を特定の目的のために利用し、又は土地で取れる作物を収穫する土地使用権)などを取得することができ、それぞれ、保持期間の延長や権利の譲渡も可能

会社法

● 株式有限責任会社及び駐在員事務所といった投資形態がある

● 会社の機関としてコミサリス (取締役会による経営を監督し、助言を行う機関)が存在する

 

● 最低2名の株主が必要

● 最低資本金額の定めがある

外国投資法

● 大統領令にて、外国資本による投資が制限される業種が定められている

● 大統領令に定められていない業種については外国資本による投資が可能

 

● 投資調整庁の内規に基づき、会社設立の際に高額な最低投資額が必要とされる

労働法

● 労働者に有利な内容となっており、解雇手続きは日本以上に厳格

● 現地労働者の雇用義務あり

● 外国人労働者が就くことのできる職種に制限がある

● 最低賃金の大幅増、アウトソース関連法令の改正、デモの多発など、労働法に関連する法令改正や問題が頻発しているため、慎重な対応が必要とされる

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