インド最新法令情報 インド法務基本情報

 インド共和国(以下「インド」といいます。)は、人口12億人を超える中国と並ぶ巨大市場であり、多様な民族、宗教、言語、カーストにより構成されています。安価で若い労働力や巨大な消費市場としての魅力、アフリカ・中東などの西方市場への窓口として、大きな期待を寄せられています。近時、日系企業の進出は増加の一途を辿っており、2012年10月現在926社(2011年812社。在インド日本国大使館資料参照)が進出しています。進出先としては、デリー首都圏や経済の中心地ムンバイに加え、自動車産業が集積しASEANへの窓口としての役割を担うチェンナイや多数のIT企業が拠点を構えるバンガロールなどの南部地域に顕著な増加が見られます。さらに、インフラ整備が充実し、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想の中央に位置するグジャラート州などの西部地域への進出も目立ち始めており、進出先が多様化しています。

インドの法制度の主な特徴としては、連邦法と州法が共存している点が挙げられます。インドは、英国統治下における連邦型統治形態の導入により、連邦政府と州政府との間で権限分割が行われ、州の権限・自治が強化されることとなりました。現行憲法は、連邦政府及び州政府の各立法事項を明記しており、インドで事業を行うにあたっては、連邦法に加え、各州法の適用の有無及びその規定内容を入念に検討する必要があります。特に、州ごとに異なる複雑な税法や労働法制には、多くの日系企業が苦労しています。

インドでは、近年、法令や規制が頻繁に変更されており(マルチブランド小売業の外資への開放等)、また、外国企業の多大な事業に影響を与える裁判例・決定(ボーダフォンの課税裁判やバイエルに対する強制実施権発令等)も続々と出されています。さらに、2014年春には、インド全土で大規模な選挙が行なわれる予定であり、その結果如何によっては、様々な政策変更が行われる可能性があります。そのため、インドに進出し事業を行う際には、最新の情報を常に確認し将来のリスクに適切に備える必要があります。

以下に、インドの基本的な法律の特徴及び留意点を図表にて示します。

特徴 留意点
憲法

● 英国からの独立後の1950年施行
● 英国及び米国の強い影響
● 基本的人権、議院内閣制、二院制、違憲立法審査権等を規定

● 連邦政府の立法事項、州政府の立法事項及び両者共通の立法事項を明記していること

不動産に関する法律

● 外国企業及び外国人の不動産の取得は原則として禁止
● インド現地法人・合弁企業による不動産取得は可能

● 不動産の登記制度が十分整備されていないこと
● 州法の独自の適用を受ける可能性があること

外国投資に関する法律

● 外国投資規制、外国企業による株式取得規制、外国企業に適用される税制度等、各種規制あり

● 銀行、保険、マルチブランド小売業等、出資制限を有する事業分野があること
● 産業ライセンスを取得する必要がある場合があること

会社法

● 投資形態として、現地法人、支店、駐在員事務所、プロジェクトオフィスがある
● 現地法人には、公開会社と非公開会社があり、規制内容が異なる

● 近々会社法が抜本的に改正される予定であり、新法の規制内容にも注意する必要があること

労務に関する法律

● 労働者のワークマン(Workman)該当性、施設・設備の所在地及び形態により保護内容が異なる
● ワークマンに極めて有利な保護内容となっている

● 連邦法に加え、州法の規制内容に注意する必要があること
● 雇用契約終了に伴う紛争が多く、訴訟期間が長いこと

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