シンガポール最新法令情報 シンガポール法務基本情報

シンガポール共和国(以下「シンガポール」といいます。)は、1965年の独立から50年弱しか経っておらず、面積は東京23区をやや上回る程度、人口はわずかに500万人強(うちシンガポール人は300万人強)と非常に小さい国で、特段の資源も持たない国です。しかしながら、独立当初より国内の資源、資本だけでは産業発展に限界があることを認識し、外国企業による投資を呼び込むために、低い法人税率、英語の公用語化、国際金融システムの構築、雇用者に有利な雇用法の制定、統括会社等に対する減税措置、国際的仲裁センターの設立等様々な対策を講じてきました。そのため、南アジアの中心に位置するという地理的優位性も相まって、現在では外国企業による投資が多く行われ、1人当たりGDPも約US$50,000となり、日本や米国を抜き世界12位の経済大国となっています。シンガポールは、市場としての魅力のみならず、東南アジアのハブとして他の東南アジア諸国(タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナムなど)への進出基点及び他の東南アジア諸国の子会社の統括拠点としても注目されています。既に多くの日系金融機関、メーカー、サービス業などがシンガポールに拠点を構えており、進出日系企業数は2,000社を超えています。

このようにシンガポールは経済大国として先進国の仲間入りを果たしており、その法制度も欧米先進国に比肩すると評価されています。基本的にはイギリスのコモン・ロー制度を継承することとなっていますが、シンガポール独自の法も多く制定されており、シンガポール独自の法体系になっていると言えます。また、上記のとおり、シンガポールは外国企業による投資を呼び込むことを国策としているため、一部の業種を除いて、外資規制や最低資本金などの制限は存在せず、シンガポール企業と外資企業とを差別することはありません。もっとも、シンガポール政府は、経済環境やシンガポール国民の民意に対応するために頻繁に法令や規制を変更しますので、常に最新の情報を確認するようにしなければなりません。以下に、シンガポールの基本的な法律の特徴及び留意点を図表にて示します。

特徴 留意点
憲法

● イギリス法及びマレーシア憲法の影響を強く受けていると言われているが、制定後多くの改正を経て独自のものとなっている

● 他民族国家であることを反映して信教の自由や人種差別の禁止などが手厚く保護されている一方、その他の市民権については一定の制限が付されている

不動産法

● 土地の絶対的所有権は国に属する

● 外国人の不動産使用は原則禁止されない

● 外国人及び外国企業は居住用不動産を取得することができない(但し、コンドミニアムは除く)

● 登記に公信性が認められている 

外国投資に関する法律

● 外国投資を規制する特別の法律は存在しない 

● 金融、報道、出版、電気事業等の一部の業種については各法律で外国投資に関する規制が存在する 

会社法

● 有限責任株式会社、無限責任会社、駐在員事務所、支店及びパートナーシップといった投資形態がある

● 最低資本金制度はなく、容易に会社設立ができる

● 主として利用される形態は有限責任株式会社と駐在員事務所

● 有限責任株式会社の場合、最低でも1名の居住取締役が必要

雇用法

● 雇用主に有利な内容となっており、正当理由のない解雇が認められている

● シンガポール人の雇用義務などは原則として存在しない

● 定年退職・再雇用法により定年後の高齢労働者を再雇用しなければならない義務がある

ページの先頭へ