中国

法務Q&A

現地法人を設立するにあたり、注意すべき点はありますか。
近時、会社設立手続が大幅に緩和・効率化され、一度の申請で営業許可証まで取得できるようになった反面、オンラインシステム上入力すべき情報は増えました。以前は一歩一歩手続を行う中で後から決めればよかった情報(役員や財務担当者等)も、最初に揃えなければ申請手続が始められなくなったので、注意が必要です。但し、中国国内でも地域によってそれぞれ要求が異なることがあるため、事前に会社の設立地における当局の要求を確認することが肝要です。
現地の事業を清算・撤退する場合に気を付ける点はありますか。
撤退については、大きく分けて持分譲渡による撤退と清算による撤退があります。前者ができれば、コストと手間は節約できますが、譲受人が見つかることが前提です。
清算については、行政上の手続に対する対応も大切ですが、その前に、事業の結了、労働契約の終了、債権債務の整理を計画的に実施する必要があります。行政手続自体(税務清算を含む)は、時間をかければ終わらせることができ、残余財産があれば、日本への送金も可能であり、「中国からは撤退ができない」という事実はありません。ただ、清算が順調に進むか否かは、それまでの納税の状況、関係書類の保管状況、経理事務担当者等の協力が得られるか否か等によります。
なお、「休眠」という方法を検討されることが良くありますが、維持コストと営業許可取消リスクを伴うほか、いずれにしても最終的には清算をする必要があるため、安易に「休眠」に頼るべきではありません。
日本の親会社から現地法人に出向する場合には、どのような手続きが必要でしょうか。
大きく言えば、原則として、Zビザを取得して入国後、就業許可の取得、居留許可の取得を行いますが、それぞれの手続に必要な具体的書類は、所在地区、現地法人の条件、当該出向者の条件により異なってきますので、予め確認が必要です。
現地での従業員の雇用・解雇にあたって気を付ける点はありますか。
日本と異なり、雇用に当たっては、必ず書面の労働契約を結ぶ必要があります。解雇(契約期間満了不更新等の終了の場合や合意解除の場合を含む)には、原則として経済補償金(勤続年数に応じて計算)の支払いが必要となります。また、違法解雇の場合には、経済補償金の2倍額による損害賠償か、労働契約の継続履行を求められるので、解雇は慎重に行うことが必要です。
契約の準拠法を選択できますか。また、契約書の言語について規制がありますか。
渉外性を有する契約であれば準拠法を選択できますが、合弁契約など、一部の種類の契約については、中国法の適用が強制されます。また、契約当事者が日系の現地法人同士というだけでは、渉外性が認められないため、その場合は中国法の適用となります。
契約書の言語に関する規制はありませんが、当局での手続の際に提出する契約の場合には中国語のものが必要となります。
契約書に仲裁条項を入れたり、国際裁判管轄を定めたりすることはできますか。またその際の注意点はありますか。
日本と中国はニューヨーク条約に加盟しているため、一方の国でなされた仲裁判断は他国で承認・執行が可能ですので、仲裁条項を入れることが通常勧められています。他方、一方の国の裁判所の判決は、他の国で執行ができないため、中国企業を相手とする契約書で、「東京地裁の専属管轄」というような管轄の定めを入れるのは避けるべきです。
現地法人から日本の本社へ配当などを送金することについて、規制がありますか。
配当は、配当可能利益があり、会社の決議を行い、税務局で納税を行えば、海外送金が可能です。為替管理の事務は、過半が外貨管理局から銀行に権限移譲されたものの、近時は中国からの海外送金のみならず、中国で海外からの送金を受け取る際にも、銀行の審査が厳しくなっています。そのため、正しい名目による送受金を行うこととエビデンスを揃えることに注意が必要です。
現地法人を運営するにあたって、コンプライアンス上気を付ける点はありますか。
民間企業同士でのリベート等は、商業賄賂として処罰(行政罰、刑事罰)の対象となりますので、注意が必要です。
また、近時SNS等のネットワークを用いた宣伝や営業活動が増えていますが、広告法違反、著作権侵害等の内容が含まれないように注意が必要です。
現地法人の取締役について、国籍・居住地・人数等の要件は定められていますか。
取締役に相当する董事の人数は3人から13人の間で、定款で定めます(特定の人数を定める必要があります)。国籍や居住地に関する規制はありません。
ページの先頭へ