【入所】河野正道氏顧問就任のお知らせ
2016/10/01
当事務所では河野正道氏を本年10月1日付で顧問として迎えました。
以下、河野正道氏の入所のご挨拶を掲載いたします。
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この夏、金融庁を退官し、このたび顧問としてTMI総合法律事務所に入所させて頂くことになりました河野です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、1978年に旧大蔵省(現財務省)の主税局に入省しましたが、その後は、行政官としてのキャリアの大半を、金融行政の分野で過ごしてまいりました。旧大蔵省の銀行局、証券局及び金融庁の総務企画局では、預金保険制度や証券市場、あるいは貸金業にかかる法制度の企画・立案にも従事しましたが、最も心血を注いだのは金融庁監督局における銀行・保険・証券の監督行政と、金融機関の一時国有化や破綻処理の行政実務でした。この間、我が国では不動産・株式バブルが崩壊し、その後、厳しい金融危機に見舞われましたが、私も、行政官として、最前線で日々の危機対応に追われました。そうした中では、多くの弁護士の皆様や、法務・検察関係者の方々にお世話になりましたが、平時だけでなく危機においても、あるいは危機時においてこそ、法曹の役割がいかに厳しく、しかし重要でやりがいがあるものなのか、を知ることができました。
また、最近の7年間は、金融庁の国際部門の責任者として、世界的な金融危機の再発防止のための抜本的な規制改革作業に従事し、金融安定理事会(FSB)、バーゼル委員会(BCBS)、証券監督者国際機構(IOSCO)などの主要会議の議論に参画するとともに、議長等の役割を担う貴重な経験をすることができました。この間、やはり多くの弁護士等の皆様にお世話になりましたが、国際金融規制改革の舞台裏では、ニューヨークやロンドンを中心とする世界中の多くのローヤーの皆様が、制度の企画・立案に直接かかわっているという実態を目の当たりにすることができました。
なお、世界貿易機関(WTO)において過ごした4年間は、サービス貿易部において、多くのローヤーの同僚ととともに、金融サービス貿易自由化交渉の事務局を務めるとともに、サービス貿易一般協定(GATS)の解釈や、紛争処理事案への対応、論文の執筆等にも携わりました。
今回、ご縁があって当事務所の顧問をお引き受けすることになりましたので、こうした経験の中から、現役の皆様、特に次の時代を担われる第一線の弁護士の皆様のお役にたつようなお話やアドバイス等が、少しでもできるようであれば、望外の幸せに思います。いろいろと到らないところも多いと思いますが、どうぞご遠慮なく、声をかけていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。