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【特許商標ブログ】2022年11月10日 第13回日中意匠制度シンポジウムでの登壇(JETRO北京、中華全国専利代理師協会主催)
2022.12.15
2022年11月10日に北京の長富宮飯店とオンラインを併用して行われました、第13回日中意匠制度シンポジウムに、TMI中国知財プラクティスグループのメンバーである、弁理士茜ヶ久保公二が、「中国出願人が日本へ意匠を出願する場合の出願実務~ハーグ協定への加盟を踏まえて」をテーマとするセミナーを行いました。
シンポジウムには、コロナ対策強化の影響を受け、物理参加は20名にとどまったとのことですが、オンラインでは710名(日中の企業・政府関係者・弁理士弁護士等)もの参加があったとのことです。
[会場の様子]
(写真はジェトロ北京よりご提供いただきました。)
(オンラインで講演する茜ヶ久保公二弁理士)
本シンポジウムでは、まず、中国国家知識産権局(CNIPA)から、専利局外観設計審査部処長 劉悦氏が「中国のハーグ加入後の国際意匠出願の最新状況及び出願時の注意事項」というテーマで、また、複審・無効審理部副処長 劉暁瑜氏が「中国の意匠分野の複審・審判における最新状況及び事例紹介」テーマでご講演されました。また、日本特許庁(JPO)の審査第一部意匠課課長補佐 柵山英生氏が「日本の意匠分野の審査・審判における最新状況」というテーマで、また、審査第一部意匠課意匠審査基準室長 神谷由紀氏が「日本の意匠登録出願における願書及び図面の記載とその意匠の認定について(部分意匠を中心に)」というテーマでご講演されました。
そののちに、北京派特恩知識産権代理有限公司 パートナー 胡春光氏が「海外における意匠出願の手引き」というテーマでご講演されました。最後に、茜ヶ久保公二弁理士が日本弁理士会意匠委員会副委員長として、「中国出願人が日本へ意匠を出願する場合の出願実務~ハーグ協定への加盟を踏まえて」というテーマで講演をいたしました。
このように、CNIPA及びJPOの担当官から、中国及び日本の意匠出願や審判に関する最新情報の提供があったのちに、中国・日本の双方の意匠の専門家からの出願実務に関する情報提供がなされるという構成であったため、中国と日本、行政官と専門家といった国・立場の異なる観点から、相互に関連するテーマについての解説があったことで、非常に内容の濃いシンポジウムとなりました。
茜ヶ久保弁理士は、日本の意匠制度について、中国の意匠制度と相違を前提として、以下の題目での講演をいたしました。
1.日本の意匠制度の特徴点
(1)日本特許庁による正確な実態審査 → 日本の意匠登録は権利の信頼性が高い
(2)意匠権による長期間の保護 → 出願日から25年の保護
(3)類似するデザインの重畳的な保護 → 関連意匠制度の利用
2.日本の意匠制度の使い易い点
(1)意匠の表現方法の自由度が高い
(2)登録を受けようとする部分の特定の方法が柔軟
(3)特許出願から意匠出願へ出願変更ができる
(4)自己の行為により新規性を喪失した場合でも出願可能
3.日本の意匠制度において出願する場合の注意点(Tips)
(1)物品名を「~部分」とは書かない/「簡単な説明」は不要
(2)一意匠一出願制度と分割可能時期
(3)優先権証明書の提出
(4)ハーグ協定を利用する場合の留意点
以上のような情報についてご興味があれば、ぜひ茜ヶ久保弁理士までお問い合わせください。
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