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【ヘルスケア】最新法令ニュース─PICK UP:美容医療の適切な実施に関する検討会について─
2024.12.26
令和6年11月22日、美容医療の適切な実施に関する検討会の報告書が公表され、昨今の美容医療の問題点に関して厚労省が指摘することとなりました。
(『「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告書を公表します』(厚生労働省医政局医事課 URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45889.html))
現代において美容医療はネット広告、SNSのバナー広告含め多くの人が簡単に触れられるようになっており、また施術メニューも多様化したことで、様々な需要を持つ方が美容医療を利用している現状があります。
他方で、美容医療自体の技術発展、多様化などに対して、これらの法整備等は追いつききれていない面があることも否定できません。
これまでは美容医療が主には自由診療であることもあり、都道府県含む行政の監査等が入りづらい現状がありましたが、これらについて昨今の医療事故等踏まえ、厚労省として問題を改善すべく美容医療の適切な実施に関する検討会が実施されてきました。
そのうえで先月、検討会の実施の結果として報告書が公表されることとなりました。
報告書の概要は以下のとおりです。
- 美容医療を行う医療機関等の報告・公表の仕組みの導入
美容医療を提供する医療機関の管理者を対象として、当該医療機関における安全管理措置の実施状況等を、定期的(年1回)に報告することを求め、この結果について都道府県単位で公表
- 保健所等による立入検査や指導のプロセス・法的根拠の明確化
これまで実施できなかった医師法や保助看法等への違反疑いのある事例に対する医療法に基づく保健所等の立入検査等の法的根拠や、立入検査の実施プロセス、調査の観点について明確化
- 診療録等への記載徹底
診療録の記載事項について、各診療の実態を確認するために必要な内容を記載
- オンライン診療のルールの整理
厚生労働省において、オンライン診療指針が厳格に遵守されるよう、その法的な位置づけを整理
出典:美容医療の適切な実施に関する検討会 報告書 (概要)1頁
(https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001337816.pdf)
これまで美容医療業界においては、広告規制などにおける取締りは明確な規制として存在したものの、その治療内容、治療状況等にまで踏み込んだ規制というものが整備されていない(追いついていない)実情がありました。
今回の報告書により、特に美容医療業界の治療の実情を改善するための法整備等が明言されており、これにより今後は美容医療を規制する法改正が見込まれるところです。
また、これまで指針として公表されていたオンライン診療についても、その立ち位置を明確にし、厳格に順守されるよう、制度の改変も進めていくことが明言されています。
法令レベル、省令レベルの改正が進められれば、各医療機関においてはその改正後の法令遵守が必須となることからも、非常に注目度の高いニュースとなっています。
当グループにおいても、今後の動向を注視していきたいと思います。
おわりに
今後もTMIヘルスケアプラクティスグループでは、最新のヘルスケア関連法令ニュースを配信していきます。弊事務所のヘルスケアプラクティスグループに関する記事コンテンツは、こちらにまとめておりますので、もしよろしければ併せてご覧ください。
また、ヘルスケアに関するご相談は、弊事務所のお問い合わせフォームまでお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
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