ニューズレター
「TMI Associates Newsletter Vol.44」
2020.06.29
今号では以下のトピックを扱っております。
p.1「令和2年改正個人情報保護法の概要」
弁護士 柴野相雄、弁護士 野呂悠登
本稿は、令和2年6月5日に成立し、同月12日に公布された個人情報保護法の改正について、法改正の背景等を踏まえ、その概要を解説するものです。
p.6「特許法102条1項の損害額の算定に関する知財高裁大合議判決について」
弁理士 澤井光一
令和2年2月28日付け知財高裁大合議判決がなされました。同判決では102条1項の損害額の算定に関する論点が整理されています。本稿では、大合議判決が示す一般論に焦点を当て、その内容について簡単に紹介します。
p.8「対内直接投資等に関する事前届出免除制度の導入等/Prior Notification Obligation Exemption System Introduced」
弁護士 永田幸洋、弁護士 尾藤正憲
2020年6月7日以降に行う対内直接投資等に適用されている改正外為法により、事前届出免除制度の導入や事前届出の対象の見直し等が行われました。本稿ではその概要を述べるとともに、届出義務者の把握等の実務上の留意点を説明します。
p.17「コロナ危機下の資本市場と新興企業のグローバル・オファリング」
弁護士 角谷仁之
コロナ危機の経済収縮の中、資本市場はボラティリティの波を高め、当局も発行体も未知の航路の舵を取っています。本年2月公表の東証市場区分ではプライム市場が成長力を持つ新興企業の赤字上場に門戸を開き、2018年以来、赤字企業のIPOでグローバル・オファリングが活用されています。コロナ後を生き抜く新興企業の出口の新たな選択肢を検討します。
p.20「アジャイル開発版『情報システム・モデル取引・契約書』の解説」
弁護士 寺門峻佑
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)より公開された、「アジャイル開発版『情報システム・モデル取引・契約書』」(アジャイル開発を外部事業者に委託する際の契約の在り方について、一つの具体案を示すもの)の概要について解説します。
p.23「生産緑地の2022年問題について」
弁護士 野間敬和、弁護士 榊慶太朗
「生産緑地の2022年問題」とは、生産緑地の約8割が2022年に指定から30年を迎えることで大量の宅地が供給され、結果として地価の下落が引き起こされる懸念をいいます。本稿は、かかる問題に対処することを目的とした諸制度について概説するものです。
p.26「ASEAN子会社のコンプライアンス ―典型事例の分析と対応策―」
弁護士 髙橋俊介
ASEAN現地子会社におけるコンプライアンス体制の構築や、不正事案対応に関して、典型的な事例を踏まえて、その原因を分析した上で、今後確認すべき事項、取るべき対策について紹介しています。
p.29「インドにおける労務管理戦略 ~雇用関係解消のための施策~」
弁護士 小川 聡、弁護士 宮村頼光
インド経済の停滞や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、近時、雇用関係の調整を迫られる日系企業が増加しています。本稿では、実務上問題となる早期退職制度や解雇を中心に、インドにおける雇用関係解消のための施策を紹介します。
p.31「イスラエル会社法の概説」
弁護士 田中真人
近年、日本企業を含む世界中の企業がイスラエルに子会社又は支店を開設し、イスラエルの企業、大学等との協業の機会を求めています。本稿では、2018年9月からイスラエルの大手法律事務所に出向している筆者の経験を基に、イスラエル会社法を概説します。
p.37「特許情報を用いたSDGs関連技術の分析 ~アグリテック~」
弁理士 斉藤直彦、弁理士 黒田裕也、弁理士 村上晶美
SDGsの17の目標の中から、目標2の「飢餓をゼロに」と結びつきの強い技術である「アグリテック」に焦点を当て、特許情報による分析を行うことで、同技術の技術動向及び特許出願動向の全体俯瞰を試みました。
p.40「SkyKick事件に関する欧州司法裁判所の判決」
弁理士 両部奈穂子
「コンピュータ・ソフトウェア」のような広義の商品を指定したことを根拠に、商標登録が無効になるのか、全ての指定商品・役務に対して商標を使用していないことのみをもって出願の悪意性が認定されるか、という重要な事項について、欧州司法裁判所が判断を示した注目の判決を紹介します。
p.43「米国商標制度:商標の使用見本を巡る最近の動向と実務上の変更点」
弁理士 栗下清治
米国の商標制度では「使用主義」が採用されています。この使用主義のもとでは、商標の使用を証明するために、商標の使用見本が求められることがあります。この商標の使用見本を巡る最近の動向と実務上の変更点を紹介します。
p.46「Romag Fastners v. Fossil事件 -侵害者の“故意”は、商標権侵害訴訟において侵害者の利益額の賠償を認めるための必須要件ではないとした事例-」
弁理士 太田雅苗子
米国最高裁判所は、商標権侵害者の「故意」は、侵害訴訟において原告が米国商標法35条に基づき被告の利益額の賠償を受けるための必須要件ではないとの判決を下しました。これは、長年に亘り全米を二分してきた論点についての注目の最高裁判断のため、本稿で紹介します。