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【コロナウイルス対応Q&A】独占禁止法分野Q&A
2020.04.07
国内外において新型コロナウイルスの感染拡大が続いている現状を踏まえ、TMI総合法律事務所は、クライアントの皆様が新型コロナウイルスへ対応する際にご留意いただきたい事項を、各分野ごとにQ&Aの形式にまとめて掲載しておりますので、ぜひご活用いただければ幸いです。
■ 人事労務分野Q&A 2020年3月24日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200324-01.html
■株主総会分野Q&A 2020年4月1日掲載・4月28日更新・5月26日更新
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200526-13.html
■ 東証対応関連分野Q&A 2020年4月7日掲載・4月16日更新
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200416-01.html
■ 契約分野(売買)Q&A 2020年4月7日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200407-03.html
■ 契約分野(請負)Q&A 2020年5月8日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200508-04.html
■ 事業再生・倒産関連分野Q&A 2020年4月14日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/202000414-02.html
■ 個人情報保護・プライバシー分野Q&A 2020年4月21日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200421-01.html
■ エンタテインメント・スポーツ分野Q&A 2020年5月1日掲載
http://www.tmi.gr.jp/information/column/2020/20200501-06.html
□ 新型コロナウイルス感染症に関する各国の規制状況等については、こちらからご参照ください。
■ 独占禁止法分野Q&A
Q1:新型コロナウイルス感染症の影響と関連して、独禁法上留意すべき点は何か。
A1:独禁法は、不公正な取引方法(公正な競争を阻害するおそれがある行為)を禁止しています(独禁法19条・2条9項)。この点に関連して、公正取引委員会から、マスクと高額な栄養ドリンクや化粧品などを抱き合わせて販売する行為を行わないよう要請がなされました(令和2年2月27日)。また、公正取引委員会、厚生労働省及び経済産業省から、個人事業主やフリーランスへの影響を最小限とするため、発注事業者に対し、契約変更における十分な協議と取引条件の書面化や、納期延長への柔軟な対応、また優先的な発注などの配慮を講じるよう要請がなされています(令和2年3月10日)。公正取引委員会、厚生労働省及び経済産業省からの要請内容の詳細については、「新型コロナウイルス感染症により影響を受ける個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮について」(https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/mar/200310_yousei.html)をご確認ください。
なお、東日本大震災の際に公正取引委員会が公表した「震災等緊急時における公正取引委員会の対応について」(https://www.jftc.go.jp/soudan/shinsaikanren/index.html)は、新型コロナウイルス感染症への対応にあたっても参考となりますので必要に応じてご参照ください。
Q2:二次部品メーカーの工場の操業が困難となり、二次部品が著しく不足した場合に、所管省庁が、時限的な対応として、関係者から情報収集を行って一次部品メーカーへの配分案を作成し、この配分案を参考にしながら二次部品メーカーが一次部品メーカーに部品の配分を行うという取組は、独禁法上問題があるか。
A2:この取組は、一次部品メーカーの間で二次部品の購入数量や購入価格を取り決めるわけではなく、独禁法上、問題とはなりません(https://www.jftc.go.jp/oshirase/200401kaikenbassui.html)。なお、類似の事案として「震災等緊急時における取組に係る想定事例集」事例1(https://www.jftc.go.jp/soudan/shinsaikanren/index_files/souteijirei.pdf)が、参考になります。
Q3:住宅用合板について、国内需要を全て賄えるだけの供給量があるにもかかわらず、一部の工場の操業が困難になったことをきっかけに、「品薄ではないか」という懸念が需要者に生じているという状況を背景に、住宅用合板メーカーを会員とする団体が、所管省庁の要請を踏まえて、会員から集めた情報を基に、各会員の在庫量の合計と最大生産可能量の合計をウェブサイトで公表する取組は、独禁法上問題があるか。
A3:この取組では、各会員に係る情報が会員の間で共有されることはなく、また、各会員の生産量を制限するものでもなく、独禁法上問題とはなりません(https://www.jftc.go.jp/oshirase/200401kaikenbassui.html)。なお、類似の事案として「震災等緊急時における取組に係る想定事例集」事例7(https://www.jftc.go.jp/soudan/shinsaikanren/index_files/souteijirei.pdf)が、参考になります。
以上
TMI総合法律事務所
弁護士 花本浩一郎
弁護士 戸田謙太郎
弁護士 阪本 凌