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【中国】【著作権】AI が生成するウルトラマン画像の著作権侵害について生成AIサービス提供事業者の責任を認めた中国の裁判例
2024.03.04
はじめに
2024年2月8日、中国の広州インターネット裁判所は、生成AIが生成した画像が既存の著作権を侵害した場合における生成AIサービス提供事業者の責任を初めて認める判決を下しました(以下、「本判決」といいます)[1]。
日本においても、2024年1月23日に、文化庁著作権課が、AIと著作権法に関する議論をまとめた「AIと著作権に関する考え方について」の素案についてパブリックコメントを募集し、同年2月29日には、パブリックコメントの結果、及び、当該結果を踏まえ修正された素案が公表されています(以下、2月29日付の素案を「文化庁素案」といいます)[2]。
文化庁素案では、生成AIが生成した画像が既存の著作権を侵害した場合の責任について、「AI 生成物の生成・利用が著作権侵害となる場合の侵害の主体の判断においては、物理的な行為主体である当該AI利用者が著作権侵害行為の主体として、著作権侵害の責任を負うのが原則である。」としつつ、他方で、「AI 利用者のみならず、生成 AI の開発や、生成AIを用いたサービス提供を行う事業者が、著作権侵害の行為主体として責任を負う場合があると考えられる」と説明されています[3]。
本判決は、日本の有名IPであるウルトラマンの著作物が問題となっており、AI 生成物が著作権侵害となる場合における生成AIサービス提供事業者の責任について判断した具体的な事例として重要な意義を有すると考えられますので、以下で解説いたします。
事案の概要
原告は、ウルトラマンシリーズの著作権者である円谷製作株式会社から授権を受けた中国における独占的ライセンシーであり、権利を維持するための権利を有しています。
AI会社(以下、「被告」といいます)が運営するTabウェブサイト(判決文においては、被告とウェブサイトの名前に仮名が使われており、名前が明らかにされておりません)、には、会員が課金して利用するAI生成絵画機能があり、ユーザーが、TabのAI絵画モジュールのダイアログボックスにおいて「ウルトラマンを生成」という指示語を入力すると、ウルトラマンの姿と一致する画像が表示され、ユーザーが確認してダウンロードできるようになり、「ウルトラマンと長髪を繋ぎ合わせる」と指示語を入力すると、ウルトラマンの姿の特徴を有し、頭部に長髪のある画像が表示され、ユーザーが確認してダウンロードできるようになっていました。
原告は、被告の運営するTabウェブサイトにおいて、ウルトラマンの姿と同一又は類似する画像が生成される可能性があることを発見し、被告が原告の許可を受けずに、原告が権利を有する著作物をAIに学習させ、実質的に類似する画像を生成しているとして、広州インターネット裁判所において複製権、改編権[4]、情報ネットワーク伝播権[5]侵害を理由とする著作権侵害訴訟を提起し、以下の判決を求めました。
- 被告が原告の権利を侵害するウルトラマンの画像の生成を直ちに停止し、当該ウルトラマンの素材をその訓練データからまとめて削除すること
- 被告が原告の経済損失を賠償し、権利侵害を止めるために要した合理的な費用として30万元を支払うこと
- 被告が本事案の訴訟費用を負担すること
本判決において、特に問題となったのは、ウルトラマンティガ複合型の以下の画像であり、その主な特徴について、広州インターネット裁判所は以下のとおり認定しています。
ウルトラマンティガ複合型画像(出典:本判決)
- 全身が銀色を基調とし、赤、青、黄の線で覆われている
- 一本の中心線が水晶から口にかけて伸びており、両目は、楕円形の卵型で左右対称に、縫合線の両側に横たわっている
- 首と胸は同じ赤色で、中央は上胸から下胸にかけて全体的にV字に細長い体形で、3本の銀色と2本の黄色が交互に入れ違う模様をしており、上下の青い模様と合わさって、両肩から胸全体を覆うU字型の胸当てになっている
- 上腹部は翼を広げたV字型の銀色の線で覆われている
- 全体的にH字型の赤色の線が両肋骨から下腹部、そして大腿部の両側から膝関節まで伸びている
- 青い線は脇の下から肋骨、腰、大腿部の両側から膝関節まで伸びている
- 膝関節の正面は上部が長く下部が短い菱形の銀色の線で覆われ、両ふくらはぎの内側は赤色の線、外側は青色の線がある
本事案の争点は、以下のとおりです。
- 被告が生成AIサービスを提供する際に、原告の著作権を侵害したか(複製権、改編権、情報ネットワーク伝播権)
- 著作権侵害となる場合、被告がいかなる民事責任を負うか(侵害の差し止め、損害賠償、著作物のデータセットからの廃棄)
争点に対する裁判所の判断
(1)判決の概要
広州インターネット裁判所は、被告が提供する生成AIサービスの提供過程において、原告がウルトラマン著作物に対して有する複製権、改編権を侵害したことを認定し、中国著作権法第52条、第53条に基づき、被告が侵害差し止めと損害賠償の民事責任を負うとし、以下のとおり判決をしました。
- 被告は本判決の法的効力が生じた日から直ちに原告のウルトラマンに関する著作権を侵害する行為を停止し、直ちに技術的措置を採り、サービスの提供過程において、ユーザーが通常の使用によって、原告の当該著作権を侵害する画像を生成することを防止しなければならない。
- 被告は、本判決の法的効力が生じた日から10日以内に、原告に対して合理的費用を含めて10000元を支払わなければならない。
- 原告のその他の請求は棄却する。
損害賠償額については、以下の要素を総合考慮して、権利回復のための合理的費用を含めて10000元(約20万円)と判示されています。
- 当該著作物が有する市場における知名度
- 被告は訴訟に応じた後に、積極的に技術的措置を講じて、関連画像が生成され続けることを防止し、一定の効果があったこと
- 被告はユーザーに対してのみ、当該画像を生成しており、影響範囲が限られていること
- 原告が権利を維持するために確実に発生した証拠取得のための費用支出は1269元であること
広州インターネット裁判所は、判決文の最後において、人工知能は未来をリードする戦略的技術であり、科学技術革命と産業変革の核心的な駆動力であり、生成AI産業は発展の初期状態であることを考慮すると、権利の保障と産業の発展を同時に配慮する必要があり、AIサービス提供者の義務を過度に加重するべきではないとしつつ、技術の急速な発展過程において、AIサービス提供者は、主体的、積極的、合理的に負担できる注意義務を履行して、イノベーションと保護を互いに受け入れる中国型のAIガバナンス体系を支援すべきと強調しています。
個別の論点に関する判断のポイントは以下のとおりです。
(2)著作権侵害の判断
まず、権利主体性については、当該ウルトラマン著作物の原権利者である円谷製作株式会社が、原告と「授権証明書」及び「補充授権証明書」を締結しているため、原告は授権期間と授権範囲内でウルトラマンシリーズの美術著作物の独占的使用権を有しており、著作権者と独立して権利を維持することができると判示されました。
また、被告の画像のうち、以下の3つの画像について、以下の点がウルトラマンティガの創作的表現を有しているとして、類似性を認めました。
本判決で類似性が認められたTabの生成画像の1部(出典:本判決)
- 一本の中心線が水晶から口にかけて伸びており、両目は、楕円形の卵型で左右対称に、縫合線の両側に横たわっている
- 上胸と胸の上部と中間の前に隆起した底部には表示灯がある
- 肩から胸全体を覆うU字型の胸当てに数本のストライプが交互に入っている
- 全身が銀色で覆われ、赤等の色の線が入っている
また、原告が提供するTabウェブサイトが生成した画像の著作権侵害については、複製権、改編権侵害は認めつつ、情報ネットワーク伝播権については、複製権、改編権の判断に含まれるとし、判断をしませんでした。
それぞれの具体的な判断は以下のとおりです。
権利 |
著作権法の定義 |
本判決の認定 |
複製権 |
印刷、複写、石摺、録音、録画、ダビング、写真複製、デジタル化等の方法で、著作物を一部又は複数部製作する権利[6] |
ウルトラマンシリーズは高い知名度を有し、各大手動画ウェブサイトでアクセス、参照、ダウンロードを行うことができ、被告はウルトラマン著作物に接触[7]する可能性があったといえる。接触の可能性について被告は否定する証拠を提出していない。原告が提供するTabウェブサイトが生成した画像は、一部又は全体が、ウルトラマンの美術イメージの創作的表現を完全に複製しており、原告の複製権を侵害する。 |
改編権 |
原告が提供するTabウェブサイトが生成した画像の一部はウルトラマンティガの創作物の創作的表現を留めており、当該創作的表現に依拠しつつ、新しい特徴を作り出している。 被告の上記行為は当該ウルトラマン著作物に対する「改編」に該当し、原告の当該ウルトラマン著作物の改編権を侵害する。 |
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情報ネットワーク伝播権 |
有線又は無線方式で公衆に提供し、公衆が自ら選んだ日時と場所で著作物を得ることができるようにする権利[10]
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被告に複製権と改編権侵害が成立し、さらに情報ネットワーク伝播権侵害となるかについては、具体的にどの著作権を侵害するかを認定しなくとも、被告の権利侵害行為の成否には影響せず、権利者と社会公衆の利益に実質的な影響はない。 本事案は、生成AIの発展を背景とした生成物の権利侵害における新しい状況であることを考慮すると、同一の被疑侵害行為がすでに複製権と改編権の判断に含まれるため、情報ネットワーク伝播権を侵害するかについて、裁判所は重複して評価をしない。 |
(3)侵害の差し止め
広州インターネット裁判所は、被告に対して、技術的措置を採りユーザーがウルトラマンに関連する指示語を使用し、当該ウルトラマン著作物と実質的に類似する写真を生成することができないようにしなければならないと原告の差止請求を認めました。
2023年8月15日に施行している中国で初めての生成AIサービスに特化した法令である生成型AIサービス管理暫定弁法(以下、「本弁法」といいます)[11]においては、生成AIサービス提供者[12]は、違法コンテンツを発見した場合に、速やかに生成停止・送信停止・消去除去等の対応措置を講じ、モデルの最適化等の是正措置を講じ、かつ関係主管部門に報告しなければならないと規定されています[13]。
本弁法の規定を理由に、被告はAIサービス提供者として、権利侵害を停止、すなわち生成を停止する責任を負い、被告が運営するTabウェブサイトにおいて、当該ウルトラマン著作物と実質的に類似する画像を生成しないように防止する技術措置を採らなければならないと判示されています。
被告はすでにキーワードフィルタリング等の措置を実施し、関連する画像が生成されるのを停止し、一定の効果を得ていましたが、法廷審理での証拠調べの結果、Tabにウルトラマンに関連するその他のキーワードを入力すると、ウルトラマンと実質的に類似する画像が生成される可能性が未だに残っていました。このため、被告はさらにキーワードフィルタリング等の措置を採り、ユーザーがウルトラマンに関連する指示語を使用し、当該ウルトラマン著作物と実質的に類似する写真を生成することができないようにしなければならないと判示されています。
なお、被告は別のクラウドプラットフォームを提供する第三者と契約を締結し、バックエンドでAPIを呼び出す形でAIサービスを提供しており、ウルトラマンの素材を使用してモデルの訓練は行っていなかったため、訓練データの廃棄請求については認められませんでした。
(4)損害賠償
原告は被告に経済損失と権利侵害を止めるために支出した合理的な費用について、賠償することを求めていますが、損害賠償責任が認められるには、被告に過失が認められなければなりません。
本弁法では、生成AIサービス提供者は、法律、行政法規を遵守し、社会の公衆道徳と倫理道徳を尊重し、知的財産権を尊重しなければならないと強調している[14]ため、サービス提供者は、生成AIサービスを提供する際に、合理的な注意義務を尽くさなければならないと規定されています。
広州インターネット裁判所は、本弁法の規定を引用しつつ、以下の3つを理由に、被告が運営するTabウェブサイトは合理的な注意義務を果たしておらず、主観的な過失があり、権利侵害行為に対する賠償責任を負わなければならないと判示しました。
過失の根拠 |
本弁法の規定 |
本判決の認定 |
苦情申し立ての仕組みがないこと |
生成AIサービス提供者は、苦情・通報の仕組みを確立・改善し、容易に苦情・通報することができる窓口を設置し、対応手続・対応期限を公表し、公衆の苦情・通報を適時に受理・処理し、結果をフィードバックしなければならない[15]。 |
被告の運営するTabウェブサイトには苦情申し立ての仕組みが構築されておらず、権利者は苦情申し立てによりその著作権を保護することができない。 |
リスクの警告がないこと |
生成AIサービスの提供と利用は、法律・行政法規を遵守し、社会道徳・倫理を尊重し、かつ、以下を遵守しなければならない[16]。 ・ 知的財産権、商業道徳を尊重し、営業秘密を保護し、アルゴリズム、データ、プラットフォーム等の優位性を利用して、独占又は不正競争行為を行ってはならない。 ・ サービスの種類・特性に基づき、効果的な措置を採って、生成AIサービスの透明性を向上させ、生成コンテンツの正確性と信頼性を高めなければならない。 |
本事案において、被告はAIサービス提供者としてサービス規約等の方法により、ユーザーに他人の著作権を侵害することができないことを警告していない。一般的にユーザーが生成AIサービスを利用する際に、他人に対して著作権者の権利侵害の潜在的なリスクについて明確に認識していないため、生成AIサービス提供者にはユーザーに対して、警告を行う義務がある。 |
AI生成物である明確な表示を欠いていること |
生成AIサービス提供者は、インターネット情報サービス深層合成管理規定[17]に従い、画像、動画等の生成コンテンツにマークを付けなければならない[18]。 |
生成AIサービス提供者は生成物が公衆の混同又は誤認を招く可能性がある状況の下では、その提供する生成物に表示をすべき義務があるといえる。 表示により、関連する権利者は生成物が人工知能により生成されたものであることを明確に認識することができ、さらなる有効な権利措置を講じることができる。 本事案においては、被告は生成画像に関する明確な表示を欠いており表示義務を尽くしていない。 |
コメント
(1)本判決の意義
生成AIと著作権の論点は、主に、①開発・学習段階において、AIモデルに既存の著作物を学習させ、AIモデルを開発する場合の著作権問題、②生成・利用段階において、AI生成物が既存の著作権を侵害する場合の著作権問題、③AI生成物の著作物該当性に大きく分かれます。
③については、2023年11月27日、中国の北京インターネット裁判所が、AIが生成した画像の著作権侵害訴訟において、AIが生成した画像について著作物性と著作権侵害を認める判決を下しており、AIが生成した画像について著作物性を認め、AI利用者を著作者として著作権侵害を認めた中国における最初の裁判例として大きな注目を集めました(この裁判例についてはこちらのブログ記事をご参照ください)。
本判決は、上記②の生成・利用段階において、AI生成物が既存の著作権を侵害する場合の著作権問題について初めて判示した具体的な事例として重要な意義を有すると考えられます。
また、本判決は、日本の文化庁素案で説明されているいくつかの論点についても判断しており、具体的には以下の点が参考になると考えられます。
(2)侵害行為の責任主体
文化庁素案において、AI生成物の著作権侵害について、物理的な行為主体であるAI使用者のみならず、生成AIの開発や生成AIを用いたサービス提供を行う事業者が、規範的な行為主体として、著作権侵害の責任を負う場合があると考えられています。具体的には、ある特定の生成AIを用いた場合、侵害物が高頻度で生成される場合や、事業者が生成AIの開発・提供にあたり、当該生成AIが既存の著作物の類似物を生成する可能性があると認識しているにもかかわらず、当該類似物の生成を抑止する技術的な手段を施していない場合には、事業者が侵害主体と評価される可能性が高まると考えられています[19]。
本判決では、ウルトラマンシリーズは高い知名度を有し、各大手動画ウェブサイトでアクセス、参照、ダウンロードを行うことができることから被告はウルトラマンに著作物に接触する可能性があったと判断されています。被告は、本件訴訟の資料を受領した後に、ウルトラマンの画像が生成されることを認識し、これを防ぐためにすでにキーワードフィルタリング等の措置を実施し、一定の効果を得ていましたが、実施が不十分であり、ウルトラマンと実質的に類似する画像が生成される可能性が残ってしまっていたことから責任が認められました。
(3) 差止請求として採り得る措置
ア データセットからの著作物の廃棄請求
文化庁素案においては、「AI 開発事業者が規範的行為主体として著作権侵害の責任を負う場合において、当該 AI 開発事業者に対しては、著作権侵害の予防に必要な措置として、侵害物を生成した生成 AI の開発に用いられたデータセットが、その後もAI 開発に用いられる蓋然性が高い場合には、当該データセットから、当該侵害の行為に係る著作物等の廃棄を請求することは可能」と考えられています[20]。
本判決では、被告はAIサービス提供するのみで、AIモデルの開発・学習をしていなかったことからデータセットからの廃棄請求は棄却されています。
イ 侵害の予防に必要な措置
また、文化庁素案では、「AI 開発事業者又は AI サービス提供事業者が規範的行為主体として著作権侵害の責任を負う場合において、侵害物を生成した生成 AI について、当該生成 AI による生成によって更なる著作権侵害が生じる蓋然性が高いといえる場合には、当該 AI 開発事業者又は AI サービス提供事業者に対して、当該生成 AI による著作権侵害の予防に必要な措置を請求することができる」とされ、「侵害の予防に必要な措置としては、当該侵害の行為に係る著作物等の類似物が生成されないよう、例えば、①特定のプロンプト入力については、生成をしないといった措置、あるいは、②当該生成AIの学習に用いられた著作物の類似物を生成しないといった措置等の、生成AIに対する技術的な制限を付す方法などが考えられる」と説明されています[21]。
本判決では、AI サービス提供事業者である被告はキーワードフィルタリング等の技術措置を採り、ユーザーがウルトラマンに関連する指示語を使用し、当該ウルトラマン著作物と実質的に類似する写真を生成することができないようにしなければならないと判断されています。
(4)過失の判断
日本法において、著作権侵害が認められた場合は、侵害者が負う可能性がある責任としては、損害の賠償[22]、侵害行為の差し止め[23]、侵害行為の予防措置[24]、刑事罰[25]がありますが、損害賠償が認められるには侵害者の故意又は過失が必要となり、刑事罰は侵害者の故意が必要となります[26]。
本判決は、生成AIサービス提供者の損害賠償責任を認める際の「過失」について、本弁法の規定を引用しつつ、苦情申し立ての仕組みがないこと、著作権侵害リスクの警告がないこと、AI生成物である明確な表示を欠いていることの3つを理由に認めた点が参考になると考えられます。
(5)模倣品対策における影響
中国のオンラインの模倣品・海賊版対策においては、著作権の直接の侵害者は、侵害の規模が小さくかつ侵害者が多数にわたることが多いため、ECサイトや動画共有サイトなどのプラットフォーム事業者に対しても、著作権を行使することが実務上重要となっていますが、本判決によって、生成AIにより日本企業の有する著作権が侵害されている場合に、生成AIサービス提供事業者の責任を追及する道が開かれたとも考えられます。
以上
[1] (2024)粤0192民初113号
[2] 文化庁ウェブサイト(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_07/)
[3] 文化庁素案(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_07/pdf/94011401_02.pdf) 36頁、37頁
[4] 日本著作権法の翻案権に相当する権利です。
[5] 日本著作権法の公衆送信権に相当する権利です。
[6] 中国著作権法第10条第1項第5号
[7] 日本著作権法の依拠性に相当する要件です。
[8] 中国著作権法の独創性とは、著作物が著作者により独立して完成され、かつ著作者の個性的な表現が表れていることを意味し、高度な創作性が要求されているわけではありません。
[9] 中国著作権法第10条第1項第14号
[10] 中国著作権法第10条第1項第12号
[11] 中国語:生成式人工智能服务管理暂行办法(http://www.cac.gov.cn/2023-07/13/c_1690898327029107.htm)
[12] 生成AI技術を利用して生成AIサービスの提供(プログラム可能なインターフェース等の提供による生成AIサービスの提供を含む)を行う組織又は個人をいいます(本弁法第22条第2項)
[13] 本弁法第14条第1項
[14] 本弁法第4条
[15] 本弁法第15条
[16] 本弁法第4条第3号、第5号
[17] 中国語:互联网信息服务深度合成管理规定(https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/2022-12/12/content_5731431.htm)
[18] 本弁法第12条
[19] 文化庁素案36、37頁
[20] 文化庁素案36頁
[21] 文化庁素案36頁
[22] 日本民法第709条
[23] 日本著作権法第112条第1項
[24] 日本著作権法第112条第2項
[25] 日本著作権法第119条
[26] 文化庁素案29頁