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コロナ禍で従業員の労働時間が労基法32条を超える場合の問題等
2020.09.08
TMI総合法律事務所では、2020年初頭から、新型コロナウイルス感染症への対応を分野ごとにまとめたシリーズ【コロナウイルス対応Q&A】を公表して参りました。また、昨今においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大だけでなく、その予防策としての新しい生活様式が、社会の様々な部分に変化を及ぼしており、企業法務の分野においても同様です。
そこで、こうした変化にいち早く対応し、クライアントの皆様のために最良のリーガルサービスを提供すべく、各分野の専門家を中心に、企業法務の分野において主に問題となるテーマの一部をQ&A方式でまとめさせて頂きましたので、是非ご活用いただければ幸いです。
【Q】
当社では、現在、在宅勤務を導入しているのですが、COVID-19関連の影響で在宅勤務の従業員に労働基準法第32条の規定を超えた時間外労働のリスクが生じています。このような場合に、36協定の特別条項により時間外労働を命じることはできますか。また、在宅勤務の従業員に時間外労働をさせる場合、出社している社員とは異なる配慮の必要性等、何か留意点はありますか。
【A】
時間外労働の業務指示を出すことは、①36協定の特別条項により時間外労働が認められ、②貴社の就業規則において時間外労働義務が規定され、かつ③時間外労働の指示命令が必要かつ相当といえる場合に可能となります。
①ないし③の要件を充足する場合において、在宅勤務の従業員に時間外労働させる場合、従業員の業務実態を管理者が直接管理できないという状況下においては、従業員の時間外労働の適切な当該時間の管理方法、当該労働者の健康の把握等について、出勤する従業員と異なる配慮・対策が必要となります。