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【中国】【意匠】ハーグ協定加入を正式に発表
2022.02.05
世界知的所有権機関(WIPO)は、2022年2月5日付けで中国国家知識産権(CNIPA)局長(申長雨、SHEN Changyu)名義のハーグ条約の加入書が寄託されたことを発表しました。これにより、3か月後の5月5日に、中国のハーグ条約への加入の効力が発生することになります。
中国は、1999年ジュネーブ改正協定の68番目の締約国となり、また、中国の同協定への加入により、ハーグ条約の同盟国の数は77となりました。
なお、WIPOは、中国がマラケシュ条約へ加入することも同時に公表しており、先に公表された「知的財産権強国建設綱要及び『十四五(第14次5か年)』計画の実施に関する年度推進計画」で掲げた二つの国際条約への加入を達成したこととなりました。
ご存じのとおり、中国は、昨年6月1日に、専利法の第4次改正を行い、意匠関連では、部分意匠制度の導入と、存続期間の延長(10年から15年)などを行いました。CNIPAでは、現在、「専利法実施細則」、「専利審査指南」の改訂作業を進めているものと思われ、ハーグ条約への加入が発効する5月5日に向けて進展があるものと考えられ、情報の公開に注意が必要です。
中国の2020年の意匠出願件数は、77万件に達したといわれており、また、近年は、USPTOに対する中国からの出願が増加しており、USPTOにおける中国からの出願数が全出願数の33.7%(2021年)に及んでいるとの情報があります。
中国のハーグ条約加入により、ハーグ制度のシステムや運用への影響が生じることは少なからず予想されます。たとえば、WIPOに対するハーグ国際登録出願の件数が増加により審査遅延を招いたり、ハーグ国際出願の指定国として日本が新たに選択されることで、日本への出願も増加するなどが考えられます。このような変化に合わせて、日本の企業においても、意匠出願戦略の再考などにより対応していく必要がある可能性もあり、今後しばらくは注視する必要があると考えます。
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