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特許ブログ【海外情報】各国特許最新レポート
2022.03.31
特許に関し各国の注目すべき最新状況を発信致します。2022年3月の注目情報は以下の通りです。
欧州特許庁(EPO)
A.改訂審査ガイドラインの発行(March 1,2022)
欧州特許庁(EPO)より改訂審査ガイドライン((EPC Guidelines、PCT-EPO Guidelines))の発行がアナウンスされました。EPOの審査ガイドラインはPart A~Hに分かれるものとなりますが、今回の改訂においても全てのPartが改訂されております。本改訂ガイドラインは2022年3月1日に発行されておりますが、本改訂する意見の提出は2022年4月15日とまで可能となります。
権利化業務の点で注目すべき改訂点としては以下が挙げられます。
・Part F, IV, 4. (Clarity and interpretation of claims;4.3 Inconsistencies) における“明細書の補正に関する変更”(許可クレームに対応するように明細書を補正することを要求される欧州特許出願特有の制度)に関する改訂
・Part E, VI, 2 .(Late-filed submissions)に関する改訂
・Part G (Patentability) VII(Inventive Step) 5.4.2 (Example of applying the COMVIK approach)に対し適用例を追加する更新等(審決G 1/19に関する修正)
■ 改定ガイドラインに関するアナウンス
■ ガイドラインの改訂箇所のリスト
■ Computer-Implemented Inventionsに関するガイドライン
B.手数料の変更(April 1,2022)
2022年4月1日よりEPOの手数料が改定されます。出願費用(+5~10EUR)、調査費用(+30~40EUR)、維持年金(3年目(+15EUR)、…10年目(+50EUR))を含め今回の手数料改定は多くの項目を値上げするものとなります。本改定は2022年4月1日以降の支払いに適用されます。
■ 手数料の変更に関するアナウンス (PDF)
■ 現在(~2022年3月)の手数料
米国特許商標庁(USPTO)
A.5G技術の発展に関する特許活動の報告書(Patenting activity by companies developing 5G)
2022年2月付けで、USPTOより5G技術の特許活動に関する報告書が発行されております。当報告書自体は12頁ほどのコンパクトな内容であり、5G技術に関する最もアクティブな6企業(Qualcomm, Huawei, Nokia, Ericsson, Samsung, LG, ZTE)の特許ファミリーに関する分析に加え、5Gに関する4つの技術(Management of Local Wireless Resouces, Radio Transmission Systems, Multiple Use of Transmission Path, Information Error Detction)に関し各企業のポートフォリオにつき分析がされております。特許ファミリーの分析においては、USPTO、EPO、JPO(日本特許庁)の三極に出願された“triadic”パテントファミリーの分析との比較が含まれており、各社の出願国に対する方針が反映された結果が示されております。また、各技術に対する分析では、各社特許に関し“Legal breadth”(最も短い独立クレーム中の単語数が少ないクレームを価値のある“Broder Claims”とみなす指標)について差が大きく示されていることが特徴となります。
■ Patenting activity by companies developing 5G (PDF)
弁理士 都野 真哉