2023年11月29日に中国浙江省杭州市で開催された、浙江省市場監督管理局（浙江省知的財産局）主催の知財ハイレベル人材育成セミナーに、TMI中国知財プラクティスグループのメンバーである弁理士・山口現、伊藤貴子が登壇しました。

浙江省知財ハイレベル人材育成セミナーは、省内の知財局職員、研究者、実務家（弁護士事務所、知財代理事務所）及び企業担当者を対象に、中国及び外国の知的財産分野の研究者や実務家が、５日間に渡り様々なテーマでの講義を行うセミナーです。主催者サイトでの集計によれば、５日間でオンライン・オフライン合わせて約1万名が受講した大規模な取り組みでした。

TMIは、昨年に続き2度目の登壇依頼を頂き、今年もオンライン登壇とオフライン登壇を組み合わせて参加いたしました。当日は、最初にTMI上海オフィスの中国法顧問・席修挙から、TMI総合法律事務所の事務所概要を紹介し、同セミナーに合わせて公式にオープンしたTMI WeChat公式サイトの案内を行いました。

その後、第１部では、日中の法律特許事務所で長年の実務経験を有する弁理士・伊藤貴子から、日本の特許出願制度の概要、中国との審査基準の違いを含めた日本特許の権利化実務について詳しく説明し、更に、最近の意匠法改正の状況を紹介しました。

続く第２部では、パートナー弁理士・山口現から、日本で認められるようになった新しいタイプの商標の登録状況、日本での商標出願及び権利化対応の実務及び来年４月から施行される同意書制度の導入を含む最新の法改正について、詳しく説明しました。

３時間にわたる講義でしたが、終了後に寄せられた参加者の感想には、中国語で日本の最新の法制度や実務に関する詳しい情報が得られ、非常に有意義であったという声が多く寄せられていました。

アリババ社の本社所在地としても有名な杭州市は、GDPで全国４位の浙江省の省都であり、周辺の工業地帯には、多くの日本企業も進出しています。特許・商標の出願件数も全国トップ５省に入っており、来年10月にはAIPPIの総会も開催されるなど、知財活動の大変活発な地域です。

昨年に続き２度目の登壇となった今回のセミナーでも、現地の当局関係者や実務家との交流を通じ、最新の情報を収集し、ネットワークを拡大することができました。TMIでは、このような国際的な実務交流に引き続き積極的に参加し、クライアントの皆様に有益な情報の発信と収集に努めていきます。