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【ヘルスケア】最新法令ニュース(2022.6)
2022.06.17
※ヘルスケア関連の最新法令ニュースをピックアップしています。
最新法令ニュース
【ニュース】
① 都内ファミマの98%で処方箋薬の受け取り可能に
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202206/575297.html
② 臨床研究法5年後の見直し、取りまとめを公開
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202206/575407.html
③ 医薬品の承認、迅速化へ再編 厚労省、感染症対応を強化
https://www.iwate-np.co.jp/article/kyodo/2022/6/7/895313
④ 無承認のニキビ治療薬販売容疑 医薬品会社社長を逮捕 健康被害確認
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea61f80d8c92e4f0a2ef1adcd9dc98a569505851
【厚労省公表資料(審議会等)】
⑤ 厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第7回)資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26018.html
⑥ 再生医療等安全性確保法施行5年後の見直しに係る検討のとりまとめ
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000946672.pdf
⑦ 臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の取りまとめ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25906.html
⑧ 第10回 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/index_00020.html
⑨ 先進医療合同会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会)の開催について 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
PICK UP
②・⑦ 臨床研究法5年後の見直し(取りまとめ)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202206/575407.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25906.html
(1) 臨床研究法に関するご相談累計
臨床研究法も再生医療等法も5年後見直しが進んでいることに時の流れの速さを感じます。
あくまで個人的な体感ですが、これまで受けてきた臨床研究法関連のご相談は、以下のように(特定)臨床研究該当性に関するものが多いように思います。
1位 「医薬品等」該当性に関するもの ※健康食品や健康器具/アプリの医薬品/医療機器的用途での試験について臨床研究法の適用があるのか 等 2位 「医行為」該当性に関するもの(「医薬品等を人に対して用いる」の要件関係) ※この研究方法なら医行為がないと整理できないか 等) 3位 「有効性又は安全性を明らかにする」該当性に関するもの ※使用感の検証にとどまるため臨床研究非該当とはいえないか 等 |
1位は、そもそも対象製品が医薬品/医療機器に該当するという意識がない健康食品事業者様やヘルステック事業者様からのご相談が多く、外部研究機関への研究委託の契約に関わるご相談時に、臨床研究法の適用関係について確認して初めて認識されるといったケースが少なくありません。特に健康関連のアプリ/ソフトウェアのプログラム医療機器該当性は、目的要件だけではなくクラス1相当であるか否かも問題となる関係で、該当性評価が難しい場面も生じてまいります。一度ここで医療機器に該当するという判断となれば、今後は薬事申請等を前提に事業モデル/スケジュールを組み直さなければならず、事業展開に大きな影響が生じるため、この点の判断は非常にシビアなものになる場合もあります(早い段階で気付けて良かった、という評価もできますが。)。
他方、2位、3位のご相談は、OTC医薬品や家庭向けの医療機器などのライトな医薬品/医療機器メーカー様から、臨床研究法は理解した上で、適応外使用の場合など、実態的には臨床研究法の規制下で行う必要性が低いと思われる一方、臨床研究法準拠によるコストが高額になってしまう場合に、適用外とする研究方法は採れないだろうかという方向性でのご相談が比較的多いように思います。
(2) 5年後見直しとりまとめにおける(特定)臨床研究該当性に関する改正
① 一定の条件下での適応外使用の研究を臨床研究法の適用外とする見直し
5年後見直しのとりまとめを見ると、以下のように、一部、医薬品の適応外使用について、一定の条件下で臨床研究法適用対象外とする方向性の議論が進められています。2位、3位のようなご相談は今後ある程度減少するかもしれません。
2(1)⑤ |
② 医療機器該当性の行政相談窓口の設置等
また、1位のご相談に関連して、医療機器に関して該当性評価が難しいという問題意識についても、以下のような方向性で議論がなされています。要するに、医療機器該当性は画一的な基準による判断が難しいので、行政に相談しやすくしよう、という方向性ですね。
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ただ、経験上、この悩みの多くは健康関連ソフト/アプリに関する「医療機器」該当性にかかるものではないかと推察するところ、薬機法上のプログラム医療機器該当性については、すでにPMDAに相談窓口が設置されています。「特定臨床研究」該当性に関して別途の窓口が設けられるということなのだろうかとも思いますが、実質的には重複することになりそうな気もします。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179749_00004.html
https://www.pmda.go.jp/review-services/f2f-pre/strategies/0011.html
(3) その他
「臨床研究法適用下で行った特定臨床研究のデータは、薬事承認申請で利用できますか?」という相談が時折あり、毎回、GCP/「治験」との関係など説明がちょっとややこしいと困っていたのですが、この点についても議論/検討が進められているようです(とりまとめ1(2))。良い方向の議論であると思いますが、結果、特定臨床研究にGCPレベルの高い信頼性が要求されることになっても本末転倒であるとは思いますので、悩ましい問題があるように思います。
⑤ 厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第7回)資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26018.html
臨床研究と個人情報の取り扱いについては別途ブログで取り上げたいと思いますが、近時では、ヒト指針のインフォームドコンセント手続が複雑となっておりで、指針自体は法令ではないこともあってか、事業者様にとって意外な落とし穴であったりすることもよくあります。特に、近時改正されたインフォームドコンセント手続を簡略化できる場合の要件や手続が複雑なので、よく読んでみると簡略化手続を取ることができない(通常のインフォームドコンセントが必要)場合であったり、手続のハードルが高い、といったりすることも生じます。
同委員会資料2では、このインフォームドコンセント手続に関わる倫理指針改正の方向性が議論されており、仮名加工情報を新たに作成して研究利用する場合のIC手続の簡略化や、オプトアウト(研究対象社等が容易に知り得る状態に置く)の在り方についての議論がなされておりますので、今後も動向を注視していく必要がありそうです。
■資料2「倫理指針見直しの各論点について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000946053.pdf
※今後もTMIヘルスケアプラクティスグループでは、最新のヘルスケア関連法令ニュースを配信していきます。
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