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【マレーシアブログ(速報)】雇用法の改正(続)
2022.09.01
はじめに
先日、マレーシア雇用法の改正についてご案内致しましたが(https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2022/13672.html)、同法の付則1(First Schedule)の改正内容の詳細を定めるEmployment (Amendment of First Schedule) Order 2022(以下「改正大臣令」といいます。)が2022年8月15日付けで公布されるとともに、改正法の施行が2023年1月1日まで延期されましたので、改めてご案内致します。
改正大臣令の概要
現行雇用法では、適用範囲が限定されており、①使用者との間で1か月当たりの賃金が2,000リンギット(約6万円)以下の雇用契約を締結した者並びに②肉体労働者、その管理監督者及び家事使用人等のみが適用対象となっておりました。
しかしながら、改正大臣令の施行によって、改正後の雇用法の適用範囲を定める付則1が改正され、全ての労働者に対して、改正後の雇用法が適用されることとなりました(但し、時間外労働等に関する一部の条項は、1か月当たりの賃金が4,000リンギット超の労働者には適用されません。)。
改正法施行の延期
改正法は2022年9月1日より施行される予定であったものの、改正大臣令により雇用法の適用範囲が大幅に拡張されたこと等を踏まえ、急遽、新たな大臣令(PU(B)394/2022)が公布され、改正法の施行は2023年1月1日に延期されました。
実務対応
改正法の施行は2023年1月1日まで延期されましたので、使用者は同日までに改正法への対応を完了させる必要があります。
具体的には、改正後は全ての労働者が雇用法の保護を受けるため、これまで雇用法の保護を受けていなかった労働者の雇用条件や雇用契約・就業規則の見直しの検討が必要となります。例えば、労働時間、時間外・休日・祝日労働の手当、有給休暇・傷病休暇・祝日の日数、解雇通知の日数、解雇手当等が雇用法の条件を満たすものであるかの確認が必要となります。
また、改正法の他の改正事項への対応も必要となります。他の改正事項については、前回のブログをご参照ください。
今回の改正は、雇用法の適用範囲が想定以上に拡張されるという大改正であり、マレーシアの日系企業の皆様にも非常に大きなインパクトがありますので、早めにご対応いただくことをおすすめいたします。
具体的な対応等でお困りの点がございましたら、弊所にご連絡いただけますと幸いです。
マレーシア・プラクティスグループ