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【03/30追記】 スチュワードシップ・コードの再改訂版が公表されました
2020.03.24
<2020年3月24日公表>
◆《金融庁》スチュワードシップ・コード(再改訂版)の確定について
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鈴木貴之弁護士の一言コメント
今回の再改訂により、機関投資家に対し、一定の議案について、賛否を問わず、その理由を公表すること等が求められることになりました。これにより、今後の機関投資家による議決権行使にどのような影響が生じるのかを注目する必要があります。
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スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会は、2020年3月24日、昨秋以降計3回の審議を経て取りまとめた改訂案を確定し、「スチュワードシップ・コード再改訂版」と位置付けて公表しました。
2014年2月26日に策定(翌27日付公表)された 「責任ある機関投資家」の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫ ~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~ は、2017年5月29日の改訂を経て、2度目の改訂が行われたことになります。今般の改訂にあたり①運用機関、②企業年金等のアセットオーナー、③サービスプロバイダー(議決権行使助言会社・年金運用コンサルタント)に関する論点を検討してきた有識者検討会では2019年12月20日、改訂案を公表し、1月31日まで意見募集を行っていました。
再改訂版では、(1)運用機関に対し、一定の議案を対象として議決権行使の賛否の理由を公表すること(再改訂版本文17ページ「指針」5-3)や、対話活動とその結果、自己評価等に関する情報提供を充実させること(20ページ「指針」7-4)が求められました。
また、(2)スチュワードシップ責任の定義中「建設的な対話」を説明する箇所で「サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮」を補充するなど、サステナビリティを巡る課題を新たに織り込みました(再改訂版本文5ページ上段、6ページ「本コードの目的」5、10ページ「本コードの原則」7、15ページ「指針」4-2など)。
さらに(3)サービスプロバイダーについては、これを定義するとともに(7ページ「本コードの目的」9)、体制整備と公表、積極的な意見交換などについて指針を新設しました(10ページ「本コードの原則」8、21ページ「指針」8-1・8-2・8-3)。
金融庁では、再改訂前のコードを受け入れている機関投資家が遅くとも本年9月末までに、本コードの各原則に基づく公表項目について再改訂内容を踏まえた更新・公表を行うよう呼びかけています。