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タイ法務のプラクティス(第7回)
2026.09.18
第7回は、タイにおける会社の株主総会の運営について説明いたします。
非公開会社における機関
まず、タイ民商法上、タイの非公開会社における法定の機関は、①株主総会(General Meeting)、②取締役(会)(Director(s))、③署名権限取締役(Authorized Director)、④会計監査人(Auditor)となります。なお、日本の会社法では非公開会社であっても取締役会設置会社や会計監査人設置会社は監査役の設置が必要ですが、タイ民商法では日本の監査役に相当する機関は定められていません。
機関運営は基本的にはタイ民商法に従うこととなりますが、同法に抵触しない限りにおいて、会社の附属定款(Articles of Association)の定めに基づいて自由に運営することは可能です。したがって、会社が適法な機関運営を行っているかどうかは、タイ民商法及び附属定款の規定との適合性をチェックすることになります。
以下、あくまでタイ民商法の規定に基づいた非公開会社における機関運営についてみていきます。
株主総会
タイ民商法上、非公開会社は、①設立登記後6か月以内に、②その後は少なくとも12か月毎に定時株主総会(Annual General Meeting)を開催しなければならず、①②以外で開催される株主総会は臨時株主総会(Extraordinary General Meeting)と呼ばれます(同法1171条)。
株主総会が適法に運営されているかを確認する際のチェックポイントは、大きく分けると、①招集方法、②定足数、③決議方法・要件です。
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招集方法 |
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定足数 |
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決議方法・要件 |
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なお、タイ民商法上、株主総会の普通決議事項・特別決議事項として定められているのは以下のとおりです。
[普通決議事項]
- 取締役の報酬(1150条)
- 取締役の選任及び解任(1151条)
※なお、任期途中における取締役の交代は、交代後の取締役の任期が残期間に限られる場合には取締役会にて決議可能です。 - 取締役による競業取引(1168条)
- 計算書類の承認(1197条)
- 配当(1201条)
※配当については、原則として株主総会決議により決定されますが、中間配当については、会社の利益状況に照らして正当と認められる場合には、取締役会が決定することができます(1201条2項)。 - 会計監査人の選任(解任も含むと解される)(1209条)
- 会計監査人の報酬(1210条)
[特別決議事項]
- Memorandum of Association(基本定款)及びArticles of Association(附属定款)の修正(1145条)
- 増減資(1220条、1224条)
- 現物出資(1221条)
- 解散(1236条4号)
- 合併(1238条)
但し、株主間契約やJV契約において、当事者間で別途合意した事項を株主総会決議事項として定めることは可能です。
電磁的方法による株主総会の開催について
Emergency Decree on Electronic Meetings B.E. 2563 (2020)(以下「本勅令」といいます。)上、株主総会のように法令上開催が義務付けられている会議体は、当該法令(=タイ民商法)に定められた手続を履践することを前提に、会議体の議長が電子的手段を用いて会議を開催することを決定することができる旨が規定されています(6条)。また、会議の招集通知及び会議に関連する文書は、電子メールにより送付することができる旨も規定されていますので(8条)、前述した『受領確認付きの郵便』の方法に代えることが可能です。
なお、電磁的方法を用いた会議を開催する場合には、Ministry of Digital Economy and Society(デジタル経済社会省)の定めるセキュリティ基準を遵守した上で、開催者は以下の措置を講じる必要があることには注意が必要です。
a. 総会開始前に出席者の本人確認を行うこと
b. 総会実施中は、出席者が通常投票及び匿名投票のいずれも行うことができること
c. 書面で株主総会議事録を作成すること
d. 総会の開会から閉会まで録音又は録画をすること
e. 全ての総会出席者のログデータを保存すること
次回に向けて
次回は、非公開会社における法定の機関である取締役会、署名権限取締役について説明いたします。
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