ミャンマー商標法が、予定通り2023年4月1日に施行されています（優先出願の第2フェーズも、4月3日より開始）。同日、今後の手続について、以下の通知、アナウンスメント等が発表されています（Order/Announcement）。既に第1フェーズにおいて優先登録出願を行っている商標については、5月31日までに、①所定の手数料の納付、及び②公証人認証を受けた代理人選任届（TM-2）の提出の両方を行う必要があります。

[4月26日より、知財庁のグランドオープンとして、通常商標出願が開始されています(4月26日追記)]。

1. 商業省通知2023年1号Notification No. 1-2023

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm/content/_pdf_1680286564811.pdf

知的財産権機関（IPA: Intellectual Property Agency）の設置及びその構成員を規定している。
※知的財産機関、知財局等のミャンマーにおける知的財産権関係省庁の概要については、以下のレポートのP6以下をご参照ください。
特許庁委託事業「ミャンマーにおける模倣品流通実態調査」
独立行政法人日本貿易振興機構バンコク事務所（弊所受託）
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/asean/ip/pdf/report_202103_mmrv06.pdf

2. 知的財産権機関通知2023年1号Notification No.1-2023

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm/content/_pdf_1680287499024.pdf

商標関係の各種申請について、手数料を規定している。
出願印紙代：1区分につき150,000MMK（約9,600円）
登録印紙代：1区分につき150,000MMK（約9,600円）

3. 知財局アナウンスメント2023年1号Announcement 1-2023

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm//content/_pdf_1680840627384.pdf

・2023年4月3日より、第2フェーズとしての優先出願の受理が、ネピドー及びヤンゴンの知財局カウンターで開始され、知財局所定のオンラインシステム（WIPO File）でも開始されること。
・WIPO Fileを通じて第1フェーズで優先登録出願を行っている者は、以下の手続を行って出願手続を完了させる必要があること。
①所定の商標登録手数料の支払
②代理人選任届（TM-2 Form）を完成して提出すること
　※代理人を選任する者が、ミャンマーに主たる営業所等を有しない場合は、選任する者の主たる営業所等の所在国にて公証認証を受ける必要がある。

4. 知財局アナウンスメント2023年2号Announcement 1-2023

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm/content/_pdf_1680290625546.pdf

上記①の手数料の支払い方法について規定している。

5. 商標出願のアポイントメント取得についてのアナウンスメント（知財局）

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm//content/_pdf_1680842814587.pdf

知財局での窓口申請の際の窓口の住所、アポイントメントの取得方法（知財局ウェブサイトでのオンラインでの申込）等について規定している。

6. 商標登録申請についてのアナウンスメント

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm//content/_pdf_1680840626332.pdf

・第2フェーズにおいては、商標法施行前からの使用事実に基づく優先出願のみが受理されること。
・第1フェーズにおいて、WIPO Fileを通じて優先登録出願を行っている場合は、出願料の納付と、代理人選任届（TM-2）の提出を2023年5月31日までに完了するべきこと。
・優先出願以外の各種出願については、4月26日（グランドオープニング日）から開始される。

7. 代理人選任届（TM-2）に関するアナウンスメント

原文（緬語）：https://api.ipd.gov.mm//content/_pdf_1680843494619.pdf

・出願人がミャンマーに主たる営業所等を有しない場合、1通の代理人選任届（TM-2）（出願人の主たる営業所等所在国にて公証認証を受けたもの）で複数の出願を行うことができるとしている。
※弊所注：本稿執筆時には、1通の代理人選任届で複数の出願を行う場合の選任届の作成方法、必要書類等が明確になっておらず、上記の通り提出期限が近いことを考えると1件の出願について1通の選任届を作成することが確実といえます。

 

※上記内容は、弊所及び弊所員による政治的な評価を含むものではありません。

ミャンマー商標デスク