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【宇宙ビジネスと宇宙法①】新規参入前に知るべき宇宙法の体系と全体構造
2026.06.03
はじめに
近年、日本において、多種多様な宇宙ビジネスが登場し、活況を呈しています。このような宇宙ビジネスに参入するにあたっては、宇宙活動法、宇宙資源法、衛星リモセン法、電波法等の数多くの関係法令やガイドライン等に対応することが必要不可欠です。そこで、本稿では、多岐にわたる宇宙関連案件に関与してきたTMI総合法律事務所の弁護士が、新規参入前に知るべき宇宙法の体系と全体構造について概説します。
宇宙法の体系と全体構造
宇宙ビジネスに適用される宇宙法の全体像を図示すると、以下のとおりです。

このように、宇宙法は、国際法の一分野である国際宇宙法と、各国の国内法の一分野である国内宇宙法に分類されます。また、国内宇宙法は、日本の国内宇宙法と外国の国内宇宙法に分類されます。
国内宇宙法
当然のことながら、日本で宇宙ビジネスを行うにあたってまず把握しなければならないのが、以下をはじめとする日本の国内宇宙法です。
・人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(宇宙活動法):日本国内からの人工衛星等の打上げに関係する許可、人工衛星の管理に関係する許可等について定めています。
・宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律(宇宙資源法):宇宙資源の探査及び開発に関係する許可や、宇宙資源の所有権の取得等について定めています。詳細はこちら。
・衛星リモートセンシングの適正な取扱いの確保に関する法律(衛星リモセン法):衛星リモートセンシングに関係する許可等について定めています。
この他、宇宙ビジネスを行うに当たっては、航空法、高圧ガス保安法、火薬類取締法、消防法、毒劇法、電波法、外為法など、様々な日本な法令が関係する場合があります。そのため、実際のビジネスの内容に応じて、どの法令が関係するか検討を行う必要があります。
また、外国で宇宙ビジネスを行うに当たっては、外国の国内宇宙法も理解する必要があります。
国際宇宙法
宇宙活動法に基づく人工衛星等の打上げに関係する許可、人工衛星の管理に関係する許可の審査に当たっては、国際宇宙法のうち、以下の条約を踏まえた審査が行われます。
・月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(宇宙条約):宇宙空間の探査及び利用に関する様々な原則を定める条約で、重要な条約です。
・宇宙飛行士の救助、送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定(宇宙救助返還協定):宇宙船の乗員の救助、送還、宇宙空間に打ち上げられた物体の返還等について定める条約です。
・宇宙物体により引き起こされる損害についての国際責任に関する条約(宇宙損害責任条約):人工衛星等の宇宙物体による損害についての責任等を定める条約です。
・宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約(宇宙物体登録条約):人工衛星等の宇宙物体の登録等について定める条約です。
そのため、日本で宇宙ビジネスを行うにあたっては、日本の国内法のみならず、国際宇宙法についても把握する必要があります。
また、これらの条約の解釈等について、様々な国連決議やガイドライン等が作られており、これらの内容を把握することが重要になる場合があります。例えば、宇宙活動法に関係する国のガイドラインである「人工衛星の管理に係る許可に関するガイドライン」では、「COSPARが規定する惑星保護方針(Planetary Protection Policy)に準拠した措置を講
ずること。」が求められています(同ガイドライン13頁等)。
おわりに
本稿では、新規参入前に知るべき宇宙法の体系と全体構造について概略いたしました。実際に宇宙ビジネスを行うにあたっては、これらの体系と全体構造を踏まえつつ、案件に応じて適用法令等を検討する必要があります。
本連載の第2回では宇宙ビジネスにかかわる日本の国内宇宙法について、第3回では宇宙ビジネスにかかわる国際宇宙法についてご説明する予定です。本連載の最新情報や関連トピックは、こちらのページのほか、以下のTMI総合法律事務所公式Xアカウントでも発信していますので、是非ご覧ください。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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