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[連載]こども性暴力防止法 基礎解説(第4回) ―認定制度―
2026.07.24
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<執筆者のプロフィール> 2018年1月TMI総合法律事務所入所、2019年10月~2021年9月厚生労働省大臣官房総務課法務室法務指導官、2021年10月~2023年9月同省労働基準局労働条件政策課課長補佐・労働関係法専門官、2023年10月同省医政局参与、2025年4月こども家庭庁こども性暴力防止法アドバイザー。 <ご相談・お問い合わせ> 【こども性暴力防止法専用窓口】:dbs@tmi.gr.jp ※詳細は下記のページをご覧ください。 |
本連載では、こども家庭庁のこども性暴力防止法アドバイザーも務める益原大亮弁護士より、2026年12月25日施行のこども性暴力防止法について、こども性暴力防止法施行ガイドライン(GL)に触れつつ、基本的な内容を中心にコンパクトに解説を行います。
第4回では、認知制度について解説いたします。なお、本連載の記事一覧については、下記のページをご覧ください。
[連載]こども性暴力防止法 基礎解説
https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2026/18369.html
※今後、新しい記事が投稿される際には、本サイト及びTMI公式Xアカウント(https://x.com/tmi_associates)にてご案内いたします。
※なお、2025年3月~10月において、益原大亮弁護士より、こども性暴力防止法の条文解説を中心とする連載(第1回 ・第2回 ・第3回 ・第4回 ・第5回 ・第6回 )を行っていますので、ご関心があればあわせてお読みください。
認定等の概要
民間教育保育等事業者は、民間教育保育等事業について、こども家庭庁に申請することで、一定の要件の下、学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の認定を受けることができます。
※なお、民間教育保育等事業者及び事業運営者(総称して「民間教育保育等事業者等」)は、民間教育保育等事業(事業運営者が管理する事業所において行われるもの)について、こども家庭庁に共同で申請することで、一定の要件の下、学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の認定(共同認定)を受けることができます(詳細はGL86~87頁参照)。
認定や共同認定(総称して「認定等」)を受けた民間教育保育等事業者等(認定事業者等)は、認定等がなされた民間教育保育等事業(認定等事業)において、学校設置者等と同様の義務を負うことになります。
また、認定等を受けると、広告等で認定事業者マーク「こまもろう」を使用することができます。これにより、保護者等は、教育、保育等のサービスを受けるために児童等を預ける場として適切な事業者か否かを判断することができるようになります。
認定等の基準
民間教育保育等事業者等は、認定等の申請内容が (1)(2)のいずれも満たし、かつ(3)の欠格事由に該当しない場合は、こども家庭庁から認定等を受けることができます(各基準の詳細はGL74~81頁参照)。
【認定等の基準】
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(1)民間教育保育等事業及び教育保育等従事者の業務に該当すること (2)以下の基準のいずれにも適合すること
② 児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかの早期把握の措置の実施
③ 児童対象性暴力等に関して児童等が容易に相談できる措置の実施
④ 児童対象性暴力等対処規程(児童対象性暴力等及び不適切な行為の定義、実施体制の整備等、防止措置、調査、保護・支援)の作成 (3)以下の事項(欠格事由)のいずれにも該当しないこと |
認定等の申請
認定の申請は、認定を受けようとする「民間教育保育等事業者」により行います。
※学習塾等においては、フランチャイズ本部が加盟店とフランチャイズ契約を締結し、異なる事業者が、同一の事業名(○○教室、○○塾)でそれぞれ民間教育保育等事業を運営している場合があります。こども性暴力防止法に基づく認定は、あくまで事業者ごとに受ける必要があります。そのため、フランチャイズ本部(法人A)が認定を受けていても、そのフランチャイズ本部が直営店について認定事業者マークを使用できるにすぎず、加盟店(法人B)が直ちに広告等で認定事業者マークを使用できるわけではありません。加盟店(法人B)が認定事業者マークを使用するためには、加盟店(法人B)自身も認定を受ける必要があります。
また、認定等の申請は、「民間教育保育等事業」ごとに行う必要があります(事業単位)。1つの事業者が、複数の民間教育保育等事業を行っている場合は、当該事業ごとに認定等の申請を行う必要がありますが、同一事業が複数の事業所で実施されている場合には、1つの事業として申請することになります。
認定等の申請手続は、原則として、こども性暴力防止法関連システム上で、オンラインで行う必要があります。認定等の手続の手順は下図のとおりで、標準処理期間は1か月から2か月程度とされています。
※GビズIDは、デジタル庁発行の事業者向けID(共通認証システム)です。1つのGビズIDで、複数の行政サービスにログインでき、補助金申請、社会保険手続、各種認可申請など業務上の電子届出や申請に使用できます。こども性暴力防止法においても、GビズID(プライム)により、こども性暴力防止法関連システムのアカウントを登録し、同システム上のこども性暴力防止法に関する手続全般を行うことになります。GビズID(プライム)の取得方法については、デジタル庁のGビズID紹介ページをご参照ください。
※こども性暴力防止法関連システム(通称「こまもろうシステム」)は、こども性暴力防止法に関する手続全般(認定等の申請手続や認定後の各種手続、犯罪事実確認の手続、犯罪事実確認記録等の作成・保存や廃棄・消去、こども家庭庁への定期報告や漏えい報告、帳簿作成など)を行うためのシステムです。こまもろうシステムの詳細については、今後、こども家庭庁よりマニュアルが公表される予定です。

出所 GL図表14(GL88頁)
認定を受けようとする民間教育保育等事業者は、申請書及び添付書類をこども家庭庁に提出する必要があります(詳細はGL89~94頁参照)。認定等のオンライン申請の手数料は、1事業当たり30,000円です(書面申請は31,500円)。
認定等の通知・公表
認定等がなされると、認定事業者等にその旨の通知がなされるとともに、こども家庭庁ウェブサイトに認定事業者等の情報が公表されます。
認定等の表示(認定事業者マーク)
認定事業者等は、認定等事業に関する「広告等」について、こども家庭庁が定める表示(認定事業者マーク)を付することができます。また、学校設置者等についても、認定事業者等と同様の表示(法定事業者マーク)を付することができます。モチーフには大きな目でこどもを見守る「フクロウ」が採用され、「こどもをまもろう」「みんなでまもろう」というキャッチフレーズも念頭に「こまもろう」と名付けられています(各マークの画像はこども家庭庁ウェブサイト参照)。
広告等の類型及びその具体例は下図のとおりです。また、法定事業者マークについても、認定事業者マークの取扱いに準ずることとされています。各マークを付する際の留意事項はGL101頁参照。
【広告等の類型及びその具体例】
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広告等の類型 |
具体例 |
| 認定等事業の用に供する物品 |
認定等事業のサービス提供時に着用する制服など |
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認定等事業の広告 |
認定等事業の案内パンフレット、受講生・児童等の募集案内、メディア広告など(対象年度・日時等を記載) |
| 認定等事業の取引等に関する書類又は通信 | 認定等事業に関する契約書、認定等事業に携わる社員の名刺、電子メールなど |
| 認定等事業を行う事業所 | 認定等事業を行う事業所の受付、玄関ホール、看板、のぼり旗、扉等 |
| 認定等事業に関し、インターネットを利用した方法により公衆の閲覧に供する情報 | 認定等事業のウェブサイトなど |
| 認定等事業に関する労働者等の募集の用に供する広告又は文書 | 求人広告、ハローワークの求人票など |
※宣伝・広告用のペン、クリアファイル等、配布後に第三者により再利用・流通等がなされ、事業者による回収等が困難となるものは対象外です。また、名刺については、認定等事業に携わる従事者(幹部、社員等)のみ認定事業者マークを活用可能とするとともに、従事者が認定等事業を行う部署から異動・退職する場合には、事業者の責任の下、廃棄、回収等(名刺管理アプリにおいては更新)を行うことが必要です。
なお、何人も、広告等に認定事業者マーク又はこれと紛らわしい表示を付してはならないとされています。これに違反した場合は、違反行為者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処され、又はこれらを併科されることとなります(行為者のみならず、法人も罰金刑となります。)。また、法定事業者マークを、学校設置者等以外の者(認定事業者等を含む。)が付した場合には、行政指導の対象となります。
各種届出の手続
認定事業者等については、認定後において、下表の届出手続が発生し得ます(詳細はGL102~110頁参照)。
| 変更届 | 公表事項や児童対象性暴力等対処規程・情報管理規程を変更するときは、あらかじめ、一定の事項をこども家庭庁に届け出なければなりません。 |
| 犯罪事実確認完了の届出 | 認定事業者等は、全ての認定時現職者の犯罪事実確認が完了したときは、一定の事項をこども家庭庁に届け出なければなりません。 |
| 廃止届 | 認定事業者等は、認定等事業を廃止する場合(①認定対象の民間教育保育等事業そのものを廃止する場合、②認定対象の民間教育保育等事業は継続するが、これ以上認定等を受けることを希望しない場合、③認定対象の民間教育事業の要件を満たさなくなる場合)は、あらかじめ、一定の事項をこども家庭庁に届け出なければなりません。 |
認定等の取消し
こども家庭庁は、認定事業者等が下表の取消事由のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すことになります(必要的取消し)。必要的取消しにおいては、取消事由に該当すれば必ず認定等が取り消されます。
【必要的取消しの取消事由の具体例】
| 取消事由 |
具体例 |
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① 偽りその他不正の手段により認定等を受けたとき |
認定申請の要件を満たすために、本来事業に携わっていない人物の名義貸しを受けていた |
| ② 認定等の欠格事由に該当することとなったとき | 異なる事業者で認定取消しを受けた事業の役員が、自らの認定事業者の役員に就任した |
| ③ 必要な犯罪事実確認を行っていないとき | 一部の新規採用者について、犯罪事実確認を行わなかった |
| ④ こども家庭庁による適合命令又は是正命令に違反したとき | 従事者に対して研修を受講させていないことについて、こども家庭庁からの是正命令に従わず、期限までに改善が図られなかった |
また、こども家庭庁は、認定事業者等が下表の取消事由のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すことができます(裁量的取消し)。裁量的取消しにおいて、直ちに取消しとなるか否かは、事案の重大性や悪質性、故意の有無、過失の程度、違反状態の継続期間、過去にも同じ違反状態を繰り返しているか否か等を総合的に勘案した上で判断され、軽微な違反・過失に基づく違反等については、まずは行政指導等が行われることになります。
【裁量的取消しの取消事由の具体例】
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取消事由 |
具体例 |
| ① 民間教育保育等事業者又は事業運営者に該当しなくなったとき | 民間教育保育等事業者又は事業運営者としての定義要件を満たしていない(例:民間教育事業において、従事者が2名である状態が継続した)にもかかわらず、廃止の届出等を行わなかった |
| ② 認定等事業を行っていないと認めるとき | ― |
| ③ 認定基準に適合しなくなったとき | 相談窓口の担当者が退職したにもかかわらず、次の相談窓口の担当者を任命せず、不在の間が継続した |
| ④ 変更・廃止の届出に係る規定に違反したとき | ― |
| ⑤ 児童対象性暴力等対処規程を遵守しなかったとき | 児童対象性暴力等のおそれがあったにもかかわらず、児童対象性暴力等対処規程に沿わず、調査等を行わなかった |
| ⑥ 帳簿の備付け、定期報告の提出に係る規定に違反したとき | ― |
| ⑦ 犯罪事実確認記録等を適正に管理しなかったとき | ― |
| ⑧ 犯罪事実確認記録等の不適切な目的外利用又は第三者提供を行ったとき | 法に定める例外(刑事手続・捜査への協力等)ではない形で、犯罪事実確認書を第三者に提供した |
| ⑨ 犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告に係る規定に違反したとき | 犯罪事実確認書に記載された情報が漏えいしたにもかかわらず、適切な報告を行わなかった |
| ⑩ こども家庭庁の報告徴収・立入検査に適切に対応しなかったとき | こども家庭庁の求めに対し、虚偽の報告や資料提出を行っていた |
なお、認定事業者等の認定等が取り消されると、その情報がこども家庭庁のウェブサイトで公表されることになります。
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